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Laboro.AIコラム

AI導入のメリットやデメリットとは。
課題やポイントも含めご紹介

2020.11.13

概 要

AI導入を検討する企業が増加している今、そのトレンドや導入によるメリットやデメリットを押さえることも重要なポイントです。このコラムでは、画像認識や自然言語処理のトレンドをご紹介しつつ、AIによる3つのメリットと2つのデメリットをご紹介していきます。

目 次

AIは何ができるのか
AI導入によるメリット
 ・作業の効率化
 ・顧客満足度へのインパクト
 ・これまでなかった新サービスの創出
 ・高い精度でのデータ分析
 ・コスト削減
AI導入によるデメリット
 ・プロセスのブラックボックス化
 ・初期投資が必要
 ・導入後も努力が必要
 ・人の役割の変化
AI導入のトレンド
 ・画像技術の応用
 ・自然言語処理の応用
 ・時系列データの分析
メリット・デメリットを踏まえて導入を考える

AIは何ができるのか

まずは前提知識として、AIと呼ばれる技術でできることを簡単に整理してみたいと思います。

AIが得意とする処理は一言で言えば、パターン化されたデータの分析や膨大なデータを元にした推論などです。AIは人間の知能に近い機能を有するとも言われますが、決して万能なコンピュータではなく、一つのAIモデルは目的に合わせたシンプルな機能やアルゴリズムで構成されています。

入力された情報に対してなんらかの処理をした上で予測結果を出力する点が、AIがこれまでのコンピュータよりも優れた点として言われますが、パターンから外れた処理が苦手な点は従来と変わりません。AIが優れている点の一つは、ビッグデータと言われる、量と質を兼ねたデータの処理を素早く、正確に行うことに長けている点にあると言ってもいいでしょう。

AI導入によるメリット

AIを導入することは、本当にメリットがあることなのでしょうか。ここではAI導入によるメリットとデメリットをご紹介します。

作業の効率化

AIはパターン化された処理が得意であり、人より遥かに早く、正確にタスクを完了させることができます。そのため、比較的単純で、しかもリソースを圧迫しがちなルーチン作業をAIに任せることで、人がより創造的で生産的な作業に集中できるようになることが期待されます。

運送業を例にとってみれば、配送ルートの自動生成はAIによる業務効率化の代表的な事例です。その日の配達内容から人が配達ルートを考えるなると相当な時間と労力、さらには経験が必要になってきます。AIが大量の送り状データを元に効率的な配送ルートを作成することで、ドライバーの負担軽減はもちろん、ドライバー不足にも大きく貢献します。

(出典:ニュースイッチ 2017年1月31日 「ヤマト、AIで最適配送ルート。効率化でドライバー不足を補う」

顧客満足度へのインパクト

AI導入によって顧客満足度が大きく向上したり、改善したりするケースもあります。とくにカスタマーサポートは、こうしたAI導入の恩恵を受けやすい領域の一つです。

例えば、お客様からの問い合わせ内容をAIが読み取り、対応マニュアルに準じた最適な回答をオペレーターのディスプレイに表示するというサービスが挙げられます。あるケースでは、オペレーターは自身でマニュアルやFAQを検索する手間が省け、応答時間が30%も短縮されたことも報告されています。お客様とってみても、よりスピーディーなサービスが提供され、また多くの問い合わせにも対応できるようになり応対漏れなどの減少につながっていきます。

(出典:日経xTECH 2018年10月10日 「コールセンター応対時間を3割減、Watsonで成果出すJR東日本」

これまでなかった新サービスの創出

AIを上手く活用することで、新規性の高いサービスが創出されていくことも期待されます。例えば、書籍の内容を要約した上で朗読するサービスはその一つでしょう。単なる読み上げサービスではなくAIによる要約が可能になったことで、本を読みたくても時間が取れないビジネスパーソンや忙しい主婦の需要を満たす新しいサービスとして受け入れられているようです。

他には、世界的にも大きな関心を集めるサービスとして挙げられるのが店舗の無人化です。2018年に登場した「Amazon Go」は、AIによる行動データの取得・分析、オムニチャネルでの決済やID情報の統合など、これからの新たな店舗のあり方として注目を集め、2020年10月現在、26もの店舗がアメリカでオープンしています。国内のコンビニでも店舗の無人化が進められるなど、こうした動きはより活性化していくはずです。

(出典:Yahoo Japanニュース 2020年10月16日 アマゾンの宅配専用スーパーとは?コロナ禍で需要急増

高い精度でのデータ分析

AIの特徴として、データの分析を高精度に行えるという点があります。とくに大量のデータを要するビッグデータの処理においては、AIのアドバンテージは高く、人間では発見できないような規則性を導き出したり、大量のデータを学習することで精度を上げたりといったことが可能だとされています。

こうしたAIの特徴は、例えばマーケティングの分野に活かされています。商品の売上予測を行ったり適切な発注数を計算したりするには、販売実績の他、天候や広告の配信などさまざまな関連データを使用します。データの変数が少なければ人間でも計算できるかもしれませんが、10、20、100と増えていけばその予測はより難しくなります。

コスト削減

コスト削減のためにAIを活用することも方法です。AIを導入するためにはコストが必要であり、ランニングコストも考慮しなければなりませんが、上手く導入できれば人件費を削減し全体のコストを抑えられる可能性があります。また、業種によっては設備投資や在庫の確保なども最小限で抑えられるようなケースも生まれてきています。

AI導入によるデメリット

プロセスのブラックボックス化

AI導入によってコンピュータが様々なデータを学習し、これまで人では気づかなかったような知見を得られることも期待される一方、とくにディープラーニングでは、入力から予測結果を出力するまでのプロセスがブラックボックス化してしまうというデメリットがあります。

アルゴリズムそのものは人が設計するものに違いありませんし、細かいパラメーターの調整も人手で行います。ですが、それに基づいて出力される結果はコンピュータに依存する面が大きく、「なぜそのような出力をしたのか」を説明できないこうした点は、とくに説明責任が求められるようなビジネスシーンではデメリットになり得ます。

初期投資が必要

AIを導入し運用するにはコストがかかります。特に注意しなければならないのが、開発・導入時にかかるイニシャルコストです。

まず、AIシステムをベンダーに発注するための費用が発生します。また、AIは単に導入すれば良いというものではなく、業務フロー全体を見直す必要があるケースも多くあります。利便性だけに注目するのではなく課題を解決するための手段としてAIを選択し、既存の社内システムを一新するような大規模な改革を検討することも重要です。この場合、導入には長い期間を必要とし、業務を行いながらどう社内に浸透させていくかということを検討する必要があります。

導入後も努力が必要

デメリットというよりも必要要件に近い点ですが、AIは導入後にも継続的なメンテナンスや再調整、再学習などを行うことが重要な一プロセスになります。というのも、AIはこれまでのIT技術のようにルールに基づいた決まった答えを出すのではなく、「やってみるまでは、どのような出力を出すかわからない」という特徴があるからです。

そのため、導入した後に正しい出力が得られているか、ビジネス運用に伴って調整する必要はないか、再学習やパラメータ調整によってより精度を高めていく余地はないかといった、導入後の努力が物を言う分野であることがAIの特徴であり、捉え方によってはデメリットになってきます。

人の役割の変化

AIの技術が発達し、今後もさまざまな活用例が増えていくにつれ、人間の仕事が奪われていくといった意見も生まれています。野村総合研究所が2015年に発表した「15年後には日本の労働人口の約49%がAIなどにより代替できるようになる」という報告は話題となりました。

人の仕事をAIが奪うといった話もあるものの、思い返せばこれまでも人類の歴史ではテクノロジーの進化が人間の仕事を代替してきたと言えます。さらには、テクノロジーによって便利になり、人は新しい仕事を創出し、人間とテクノロジーの役割の変化に順応してきました。

短期的に見てしまうと、AI技術の発達が人間の仕事を奪うというデメリットにも思えるかもしれませんが、人の役割がよりクリエイティブな仕事や複雑な判断を伴う内容にシフトしていくという観点も必要なのかもしれません。

出典:野村総合研究所

AI導入のトレンド

2012年に開催されたILSVRCという画像認識コンペティションをきっかけに始まったとされる第3次AIブームですが、その背景にはディープラーニング技術の登場が大きな要因になっています。

ディープラーニング(深層学習)は、機械学習という技術領域に含まれる1技術で、人間の脳内にあるニューロンの構造を模したネットワーク構造を持っています。入力された膨大なデータから共通する特徴を見分け、それを元に分類したり、推論したり、認識したりといったタスクをこなしていきます。そのため、十分な量と質のデータとマシンパワーが必要になりますが、ビジネスシーンでのAI活用のさまざまなトレンドを生み出しています。

画像技術の応用

AIやディープラーニングの活用分野として代表的なものが、画像認識技術です。写真を見てそこに何が写っているのかを判断したり、分類したりする技術はディープラーニングにより飛躍的に進化し、技術を応用したさまざまなサービスが登場しています。

身近なところでは、カメラの顔認識機能が挙げられます。カメラが写している範囲から人間の顔を検出し、そこにピントを自動で合わせる機能なども知られるようになってきていますが、顔だけでなく瞳にまでピントを合わせて追従するといったサービスも登場しています。

その他にも、店舗内でのトレイやカゴの中身の商品を認識して自動で会計を行うシステムや、撮影した被写体の名称を調べるスマホアプリ、店内の映像からどんな人が何を手に取ったかを認識してマーケティングに活かせるデータを収集するシステム、自動車の自動運転技術などにも画像認識の技術は活用されています。

Laboro.AIでも、デジタル地図データの制作のために航空写真から道路の停止線や横断歩道を検出するプロジェクトや、インフラ設備の劣化箇所を検出するプロジェクトなど、画像認識技術を用いた様々なプロジェクトを行っています。

(ご参考:プロジェクト事例 航空写真からの横断歩道・停止線の検出
(ご参考:プロジェクト事例 インフラ設備の劣化箇所検出

自然言語処理の応用

私たちが書いたり、話したりする際に必ず用いるのが文字やテキストです。こうした言語情報を扱うAI分野である自然言語処理も、ディープラーニングによって飛躍的に進化した領域です。これまでは文字や音の羅列からコンピュータがその内容を把握することには限界がありましたが、大量のデータからパターンを学習することで、まるで意味を理解しているかのように言語情報を処理する技術も誕生しています。(実際には、学習したデータに基づいて同様のパターンとして判断しているだけで、人間のように意味を理解しているわけではありません。)

自然言語処理技術の応用例としては、Laboro.AIの事例として文書分類・評価ソリューションが挙げられます。ある大手通信企業で課題となっていたのが、申込書内に書かれたテキスト情報の振り分け作業で、その内容に応じて文書を担当部署に割り振るという工程が手作業で行われ、担当者が処理する書類の数は膨大になっていました。Laboro.AIではニューラルネットワークによるカスタムAIを開発、書類に書かれた申し送り事項や個別の要望などのテキスト情報を自動で分類し、適切な部署へ振り分けるAIソリューションを提供し、担当者のサポートツールとして活用いただいています。

(ご参考:プロジェクト事例 文書分類による業務自動化率の向上

時系列データの分析

例えば、特定の商品がいつの時期にどれだけ売れるのかを分析したい場合など、分析したいデータの内容や目的によっては、時系列による分析が重要になります。アイスクリームは冬よりも夏によく売れるものですが、具体的にどのくらいの差があるかを知るには季節ごとの売上や変数を知る必要があります。

時系列データ分析はさまざまな業種で活用が進められており、小売業界における販売予測や金融、機材の故障予知・予測などにも及びます。Laboro.AIでも、設備の損傷検出に時系列データ分析によるAIを用い、検査品質を担保しつつ処理数を大幅に増加させる試みを進めました。

(ご参考:プロジェクト事例 波形解析による管内外面の損傷検出

メリット・デメリットを踏まえてAI導入を考える

「AI」という言葉にはどうしても「万能ツール」「魔法」「なんでもできる」といったイメージが付いて語られることが多いようですが、実際には人手による設計や調整、運用、検討など、多くの手間と努力が必要な領域です。手間を含めたコストがどれくらいかかるのか、コストに対して得られるメリットとデメリットはなにか、それを踏まえて自社開発が良いか、AIベンダーへの委託が良いか、こうしたポイントをAI導入前に入念に検討することが重要です。

Laboro.AIでは多面的な視点からのコンサルティングも含めてご支援をさせていただいていますが、こうした現場視点からAI導入時の検討課題についてより詳細に考察したコラム『AI導入現場から。企業が抱える検討課題の実際とは』も公開しています。よろしければこちらもご覧ください。

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