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AIとIoT、その密接な関係を知る

2020.12.22

概 要

「AI」「IoT」といった言葉もよく聞かれるようになりました。すでにAIやIoTを用いたさまざまなサービスが登場していますが、改めてAIとIoTにはどのような関係があるのでしょうか。このコラムでは、AIやIoTの概要やその関係性、実際の活用事例についてご紹介します。

目 次

AIとは
 ・AIの定義
 ・機械学習
IoTとは
 ・IoTの経済効果
 ・IoTでできること
AIとIoTとの関係
 ・5Gによるさらなる進化
AI・IoTの活用事例
 ・スマート農業
 ・交通機関のロケーションシステム
 ・医療・介護のベッドセンサーシステム
 ・スマートシティ
今後も発展が期待されるIoT

AIとは

今さらのことではありますが、AI(Artificial Intelligence)は、日本語では「人工知能」と訳されます。AIと聞いて人間のような知能を持つSF的なロボットを思い描いてしまう方はさすがに少なくなってきた印象がありますが、現段階でのAIは一定の機能に優れた「特化型AI」であり、特定のタスクを高い精度やスピードで完了させることを得意とします。

AIの定義

AIという言葉は、一般的には産業ロボットのような存在を指して用いられることもありますし、AIの一分野であるディープラーニング技術に対して用いられたりと、さまざまなシーンで登場します。

AIの定義は、研究者によって様々なされており、共通した定義はないのが現状です。比較的多く用いられるものとしては、一般社団法人 人工知能学会設立趣意書にある「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」がありますが、ここでは人間が行う知能的な活動の一部を模してコンピュータに計算を行わせる技術だと理解するのが良いかと思います。

機械学習

AIという技術体系の中にはさまざまな技術が含まれていますが、近年注目を集めているのが「機械学習(マシーンラーニング)」と呼ばれる技術分野です。機械学習は大量のデータを学習することにより、コンピュータがその法則性や共通点などを見つけ出すことを得意とする技術です。

機械学習の中でも、とくに活用が盛んになっているのが画像認識です。例えば、AIで手書きの数字を認識することを目指す場合には、0~9までの手書きの数字を大量に用意しデータとして学習させることで、コンピュータに手書きの数字の特徴を覚えさせ、だんだんと認識できるよう訓練していきます。こうして学習の精度を上げていき、学習させていない新たな手書きの数字を読み込ませても、これまで学習したパターンと照らし合わせることで、その数字を正確に識別できるようになっていきます。

IoTとは

IoT(Internet of Things)は、一般的には「モノのインターネット」と訳されることが多いようです。これは、インターネットが人間が使うものだった従来と対比し、人間の操作を介さず、モノそのものがインターネットとつながっている状態にあることを表すため、そのように言われるのだと考えられます。

IoT技術が進化した世界では、これまでインターネットとの接続とは無縁だったテレビやエアコンのような家電が相互に通信したり、遠隔操作で認識・計測・制御するといったことが可能となります。このように、人の操作を必要とせず、モノ自らがインターネットにアクセスすることがIoTの特徴と言えます。

IoTの経済効果

総務省が発表した「情報通信白書(平成29年版)」によれば、IoTによって社会改革が進展するケース(経済成長シナリオ)と、IoTをもってしても改革の効果がないケース(ベースシナリオ)とを比較した場合、2030年時点での経済成長のインパクトとして、市場規模にして271兆円もの差が出ると試算されています。このことからも、IoTが経済に与える影響の大きさをうかがい知ることができます。

IoTでできること

IoT機器のわかりやすい一つして、スマートフォンが挙げられますが、スマートフォンは絶えず何らかのデータを収集し、インターネットを介してデータを送信しています。例えばGPSによる位置情報は持ち主の行動データとして蓄積され、人々の行動のパターン分析などに役立てられています。

こうしてみると、IoTはセンサーとインターネット接続がセットになった機器だと表現することもできるかもしれません。センサーにより人間がどれだけ移動したか、どのような動きをしたのか、ドアは何回開けられたのか、温度はどう変化したのかなどのデータを収集し、インターネットに接続することでそれらのデータをリアルタイムに送信することがIoTによる大きな進歩だと言えます。

つまり、IoT機器はセンサーから情報を収集し、インターネットを介してそれを送信することで、ビッグデータを蓄積することに貢献する機能を持っているということです。

AIとIoTとの関係

ビッグデータは、AI、とりわけ機械学習において重要な要素になります。機械学習では大量のデータを学習しますが、ただデータがあればいいわけではなく、質も十分に担保された「ビッグデータ」が必要となります。十分な量と質のビッグデータがなければ、機械学習の技術は活かしきれず、その精度を上げることも難しくなってしまいます。ビッグデータを集めるために有効な技術がIoTであり、この点からAIとIoTとの密接な関係が見えてきます。

ちなみに、現在世界で数百億台のIoT端末が存在していると言われており、それらのすべてが新たなデータを生み出し続けているそうです。企業がIoT技術によって生み出されるデータを取得・解析することによって、さらにモノに新たな価値を付与し続けるという循環システムを構築することが期待されます。

5Gによるさらなる進化

また、AIとIoTの活用は5Gの普及によってさらに加速すると考えられています。「第5世代移動通信システム」を意味する5Gは、現行の移動通信システムである4G LTEを大きく凌ぐ性能を持つとされています。具体的には、最高伝送速度は約100倍、遅延は10分の1、機器の同時接続可能台数は約100倍という性能で、IoT機器による情報の送信も大幅に高速化されます。5Gが普及するにつれ、IoT機器の普及やAIの活用も拡大していくとみられています。

AI・IoTの活用事例

次に、AIとIoTを活用した事例をご紹介していきましょう。

スマート農業

AIとIoTの活用分野として注目を集めているのが農業です。農業は作業面積が広い上、人手によるチェックや作業に負うシーンが多く存在します。IoTは農業における人の目や勘を代替するのに適した技術であり、AIやIoTを活用した農業は「スマート農業」と呼ばれます。

例えば、ワイン用のブドウで地域振興を目指す長野県の「信州ワインバレー構想」では、一定の品質のブドウを安定的に供給するためにAIやIoTを活用しています。具体的には、さまざまなセンサーを搭載した機器を農園に設置し、気温や湿度、日射量、風の強さなどを計測。機器はインターネットに接続しているため、これらのデータは常に送信され、スマートフォンやタブレットから確認できます。そしてこれらのデータを分析することで、例えば栽培している樹木や果実の病気の予測を行うといった活用が見込まれます。

出典:長野県公式観光サイト Go NAGANO「もっと知りたい、きちんと知りたい長野県産ワイン「NAGANO WINE」

交通機関のロケーションシステム

国土交通省は、岡山県玉野市でバスロケーションシステムの実証実験を2017年12月15日より実施しています。

バスやタクシーの高精度な位置情報を一元的に収集することで、利用者は乗りたいバスがどこにいるのかをリアルタイムで知ることができます。到着時間を推測しにくい交通機関が、IoT技術により乗り継ぎなどの不安が解消され、より利用しやすくなることが目指されています。

出典:国土交通省「日本版GPS「みちびき」を活用した高精度バスロケーションシステムの実証実験を開始します

医療・介護のベッドセンサーシステム

高年齢化が進み、介護現場の負担の問題が顕在化している中、その問題を解決へと導く一つのソリューションとしてベッドセンサーシステムの導入が進んでいます。例えば、リコーが提供する「リコー みまもりベッドセンサーシステム」はそのひとつです。

ベッドセンサーシステムには、非常に精度の高いセンサーがベッドに取り付けられており、「どの位置にどんな体勢で寝転んでいるのか」「眠っている/起きている」「呼吸などのバイタルデータ」「体重」などのさまざまな情報を取得し発信することができます。

出典:株式会社リコー「リコー みまもりベッドセンサーシステム

スマートシティ

AIとIoTを活用することで、街全体で人々の生活を改善していこうという構想をスマートシティと呼びます。スマートシティでは、家の中の家電だけでなく、街の中にあるあらゆるモノがインターネットに接続し、モノ同士が連携することにより、例えば、交通渋滞を予測して最適なルートを検出したり、犯罪を未然に防いだり、市民サービスを向上させたりといったことが可能になると期待されています。

わかりやすいスマートシティはまだ実現していませんが、千葉県柏市にある「柏の葉スマートシティ」や、トヨタ自動車が構想する「ウーブン・シティ」など、すでに実験的なプロジェクトが複数登場しています。

出典:柏の葉スマートシティ

今後も発展が期待されるIoT

これまで見てきたようにAIとIoTは、ビッグデータの取集・送信・分析といった観点から密接な関係があります。さらに今後は5Gの普及により、さらなる進化と活用が期待されます。

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