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Laboro.AIコラム

試合、トレーニング、観戦まで。進むスポーツ業界のAI活用

2021.4.15

概 要

選手のパフォーマンスを上げる、試合の正確性を高める、観客の楽しみ方を拡張する、スポーツ業界でのAI活用は非常に多岐に渡って行われています。このコラムでは、スポーツにおけるAIの実際の活用事例をご紹介していきます。

目 次

スポーツとAIの親和性
スポーツ×AI 実際の活用例
 ・競技シーンでの活用例
  ・福岡ソフトバンクホークスのAI野球
 ・管理・監督シーンでの活用例
  ・バスケットボールでのAIコーチング支援
 ・観戦シーンでの活用例
  ・ディープラーニングを用いたサッカーのリアルタイム勝敗予想
  ・混雑状況の予測
進む、スポーツ業界でのAI活用

スポーツとAIの親和性

競技結果が数値で算出されるスポーツの多くは、もともとデータ分析との親和性が高く、「ID野球」「ITサッカー」のように、今ではIT技術によるデータ分析が欠かせないものになっています。

一方で、膨大なデータを取り扱うことを得意とし、人間では発見が難しい特徴を抽出することに長けたAIも、スポーツとの親和性が高いと言われています。例えば、AIによる画像認識技術を用いることで高いパフォーマンスを出す動きを検出し、より効果的・効率的なトレーニングにつなげるといった活用が期待されています。

スポーツ×AI 実際の活用例

スポーツ業界でのAI活用は、試合やトレーニングだけでなく、さまざまなシーンで行われています。ここでは、競技シーンでの活用例、管理・監督シーンでの活用例、観戦シーンでの活用例に分けて、実際にAIが使われている事例をご紹介します。

競技シーンでの活用例

どのスポーツもルールに則って競技が進行し、通常、人が審判を務め、人の目によって判定が行われます。しかし人による判定には見落としやミスがあることも否めず、「誤審」はすべての競技に共通する課題だと言えます。

こうした誤審を少しでも減らすためにAIが活用されています。例えば、ボールの軌道を分析・予測してボールのイン・アウトを判定するといった活用はその一つです。ミリ単位のイン・アウトの判定は線審が行うには難しい場面もあり、AIによる客観的で正確な判定が役立てられています。

試合運びだけでなく、戦術面でもAIの活用が進められています。例えば、相手選手の動きやクセを学習し、その試合での動き方も含めて分析し対策を立案・提案するといったものです。これまでもデータを用いた戦術立案は行われてきましたが、AIがリアルタイムに最適な動きを提案することで、より勝利につながりやすい作戦を選択できるようになる可能性が生まれています。

福岡ソフトバンクホークスのAI野球

福岡ソフトバンクホークスは、これまで蓄積してきた膨大なデータを活用した、AIによる戦略立案に積極的に取り組む球団の一つです。

野球は、一人の選手が攻撃も守備も行うことや、バットやグローブなど多様な道具を使うこと、細かなルールが多く存在することなどから、選手個人のフィジカル面や技術だけでなく、頭脳が物を言うスポーツです。そのため、膨大な試合データや投球データなどをAIに学習させ、その予測結果をうまく活用することが勝利へとつながっていきます。

出典:日本経済新聞『IoT野球の神采配、ホークス躍進の秘密兵器』

管理・監督シーンでの活用例

監督やコーチをはじめ、選手を管理する立場で見てみても、AIを活用することでこれまではできなかったコーチングが可能になってきています。

バスケットボールでのAIコーチング支援

バスケットボールでは、天井に設置された複数台のカメラが選手やボールの動きを追跡・記録し、選手ごとのシュートの成功率、シュートを打った位置の映像確認などを行えるようにしたAIシステムが登場しています。

このシステムを用いることで、これまで目視で確認するしかなかったフォーメーションやシュート成功率などの記録をコンピュータが行ってくれるようになり、監督は選手の状態をより正確に把握できるようになります。さらにこのシステムでは、詳しく見たい箇所をクリックすることで録画再生するなどの機能も備えており、弱点の発見やそれを克服するためのコーチング、作戦の立案などに活用できることが期待されます。

こうしたシステムの実現を可能にしているのが、AI技術の1つである機械学習です。バスケットボールは小さなコートに2チームの選手が入り乱れるスポーツのため、映像による分析は困難とされていましたが、選手やボールの画像を大量に学習させることで対象をより正確に区別できるようになってきています。

出典:日本経済新聞『富士通、ITでバスケ強化 AIがコーチ補佐』

観戦シーンでの活用例

AI技術は、試合を観戦する側の楽しみ方にも新しい価値をもたらしています。

ディープラーニングを用いたサッカーのリアルタイム勝敗予想

機械学習の中でもディープラーニングは、より高度な学習をベースにした予測を行う技術です。スポーツでの活用例として、サッカーの過去の試合データを大量に学習し、現在行われている試合の勝敗予測を行うというシステムが登場しています。

このAIシステムは、2019年に韓国で行われた国際試合で試験的に使用され、韓国を始めとしたアジア各国の試合中継で放送されており、試合観戦の新しい楽しみ方を観客に提供しているものだと言えます。

他にも、試合のハイライト映像をAIが作成するシステムも登場しています。試合中継のハイライト映像は、試合時間の間に人の手によって編集されるのがこれまででしたが、このシステムでは選手の動きや観客の歓声を分析することで、ハイライト映像を生成する仕組みなっています。

出典:ITmedia NEWS『勝利の鍵はAI? スポーツとデータ分析の相性が良い理由:よくわかる人工知能の基礎知識』OLYMPIC CHANNEL『プロ野球に“AI解説者”が登場、体操界では3D技術の導入で判定に革命【スポーツのデジタル化】』

混雑状況の予測

とくに大型のスポーツイベントが開催されると、観戦客に加えて関係スタッフやボランティアも含めて会場周辺は大混雑し、大きな混乱に発展しようものなら大会の進行や地域住民への影響が懸念されます。

混雑緩和のために期待されているのが、スマートフォンなどの移動通信システムから取得されるデータを元にしたAI予測と公共交通機関との連携です。スマートフォンの位置情報データから集積の多い場所を予測・抽出し、公共交通機関の利用状況と連携することで迂回ルートを提案するといったことが可能にもなります。

出典:Ledge.ai『2020年のスポーツをAIが変える5要素、戦略立案から観戦まで』

進む、スポーツ業界でのAI活用

ご紹介してきたように、スポーツ業界でのAI活用は、競技、監督、観戦など様々なシーンで多様に活用され始めています。とくにデータ分析や画像認識分野は、各種のスポーツと相性が良く、今後さらなる浸透が期待されます。東京オリンピック・パラリンピックの開催も背景に、スポーツ業界におけるAI技術はこの数年で大きな進化を見せていくはずです。

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