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ソリューション
デザイナコラム

AI知識とビジネス視点を合わせ持つ当社のソリューションデザイナ(SD)が、AI開発・導入・活用のポイントを解説いたします。

ビジネスパーソンが読んでおきたい、AI関連オススメ本7冊

2020.8.4
株式会社Laboro.AI シニアソリューションデザイナ 寺田 響

概 要

これからAIの導入や開発を検討されるビジネス担当者の中には「まずは最低限の知識を持っておきたい」「AIや機械学習で何ができるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?今回は、AI開発を始めるにあたって参考になりそうな書籍を、ソリューションデザイナの観点から独断と偏見でご紹介します!

(2020年7月以前に出版された書籍をご紹介しています。)

目 次

「AIの勉強をしたいんだけど、何かいい本ない?」
「AIや機械学習技術の基礎を知りたい!」人にオススメ
  ①『図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』
  ②『仕事ではじめる機械学習』
「AIプロジェクトの進め方が知りたい!」人にオススメ
  ③『失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで』
  ④『課題解決とサービス実装のためのAIプロジェクト実践読本 〜第4次産業革命時代のビジネスと開発の進め方〜』
「AIのビジネス導入事例が知りたい!」人にオススメ
  ⑤『ディープラーニング活用の教科書 実践編』
  ⑥『文系AI人材になる ― 統計・プログラム知識は不要』
  ⑦『業界別!AI活用地図 8業界36業種の導入事例が一目でわかる』
まとめ

「AIの勉強をしたいんだけど、何かいい本ない?」

Laboro.AIシニアソリューションデザイナの寺田です。私は普段、機械学習技術を使ったプロジェクトを検討されている企業様と一緒に、AIを使った企画の検討や実際に開発する際のプロジェクトマネジメント業務などを行なっています。AIプロジェクトを行うにあたって、とくに機械学習やデータサイエンスのご経験があまりない企業担当者の方からいただく質問が、

AIの勉強をしたいんだけど、何かいい本ない?

です。最近ではAIや機械学習に関する書籍も数多く出版されるようになってきていますが、書籍によっては難しい数式の解説が中心だったり、Pythonのコーディングの知識が前提になっているものも少なくありません。そこで今回は、私が個人的にお薦めしている知識ゼロからでも読みやすいAIや機械学習に関する入門書を計7冊ご紹介させていただきます。(あくまで私、寺田個人が過去に目を通した書籍でのオススメ!に限られることはご了承ください。)

書籍は、これまでに私が受けたご相談・ご関心の傾向から、次の3つの「知りたい!」にパート分けしてご紹介していきます。

・ AIや機械学習技術の基礎を知りたい!
・ AIプロジェクトの進め方が知りたい!
・ AIのビジネス導入事例が知りたい!

「AIや機械学習技術の基礎を知りたい!」人にオススメ

まず「AIや機械学習がどんなもので、どんなことができるのかが知りたい」、あるいはWebの記事などを読んでいて「画像認識と言えばCNNが定番だけど、それってどんな原理なの?」「確率的勾配降下法って何で、何に使う技術なの?」のような疑問を持たれた方にオススメな入門書のご紹介です。

①『図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』

はじめにご紹介するのは、『図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』です。

『図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』
株式会社アイデミー 山口達輝|松田洋之著、技術評論社

こちらは、株式会社アイデミーさんというAI人材の育成のためのラーニングサービスなども提供される企業の方が書かれたもので、初心者の方が読んでも非常にわかりやすい内容になっています。機械学習の原理原則から、アンサンブル学習、GANなど最近ニュースなどでもよく目にするようになった技術の仕組みが網羅的に解説されているので、「まずは技術を幅広く理解したい」「機械学習でできることの概要を整理したい」といったニーズをお持ちの方にオススメの書籍です。

気になった技術や、疑問に思った点を他の書籍やWebで調べて知識をアップデートしていく(あるいはベンダーに質問してみる)、という使い方が望ましいのではないかと思います。

②『仕事ではじめる機械学習』

もう一冊、システム開発経験がある方にはおなじみのOREILLYの仕事ではじめる機械学習』という本をご紹介したいと思います。

『仕事ではじめる機械学習』
有賀康顕|中山心太|西林孝著、オライリージャパン

①に比べると初心者にはやや難しいと思われる内容も多く、歯ごたえは段違いにあるのですが、「システムに機械学習を組み込む際に知っておきたいこと」や「AIシステムの効果検証の考え方」など、意外と世の中のAI本で触れられないポイントが丁寧に解説されており、より実務寄りの視点で知見を得られたい方にオススメです。

ちなみに、この本の第1章は「機械学習プロジェクトのはじめかた」というタイトルなのですが、冒頭の方に「機械学習をしなくて良い方法を考える」というパートがあり驚きます。ですが、これからAI導入に取り組まれる方は、ぜひこの部分だけでも理解いただけたら、より有意義なAIプロジェクトが検討できるのではないかと思います。

「AIプロジェクトの進め方が知りたい!」人にオススメ

AI開発と一言で言っても、既存のマネージドサービスを使う場合とオリジナルのカスタムAIを作る場合などがあり、一まとめに語れる訳ではありませんが、ここでは一般的なビジネス用途のAI開発のステップの理解に役立つ書籍をご紹介します。

③『失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで』

まず、データ分析やAI開発を行う株式会社ブレインパッドさんが書かれた『失敗しないデータ分析・AIのビジネス導入』です。

『失敗しない データ分析・AIのビジネス導入: プロジェクト進行から組織づくりまで』
株式会社ブレインパッド他著、森北出版

「PoCって何ぞや」というところから理解されたい方はもちろん、「外部パートナーの使い方」なんていう章もあり、AIプロジェクト全体がどのような流れで進んでいくのかをわかりやすく理解できるかと思います。

④『課題解決とサービス実装のためのAIプロジェクト実践読本 〜第4次産業革命時代のビジネスと開発の進め方〜』

もう一冊、こちらもAIベンダーである株式会社オプティムさんが監修された『課題解決とサービス実装のためのAIプロジェクト実践読本』です。

『課題解決とサービス実装のためのAIプロジェクト実践読本
~第4次産業革命時代のビジネスと開発の進め方~』
山本大祐著|株式会社オプティム監修、マイナビ出版

「契約モデルの違い」や「知的財産権の考え方」など、極めて実務的かつ非常に重要な視点まで説明されており、予め知っておくとベンダーとの交渉がやりやすくなるであろう知識が多く語られています。

余談ですが、AI開発界隈では契約時の交渉が難航するということをよく耳にします。「準委任契約って何だ?」「成果物の考え方は?」など、ITシステムの契約とは異なる点が非常に多いため、迷われた際はSTORIA法律事務所さんが公開されている解説記事『「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」に学ぶAI開発契約の8つのポイント』が参考になりますので、合わせてご紹介しておきたいと思います。

「AIのビジネス導入事例が知りたい!」人にオススメ

最後に、機械学習のビジネス導入事例を幅広く紹介している本をご紹介します。私たち自身もAIのビジネス活用について講演をさせていただく機会などが多々あるのですが、一番興味を持って参加いただくのが、事例に関するものだったりします。

⑤『ディープラーニング活用の教科書 実践編』

まず有名なところで、日経クロストレンド編・日本ディープラーニング 協会が監修した『ディープラーニング活用の教科書 実践編』です。

『ディープラーニング活用の教科書 実践編』
日経クロストレンド編集|日本ディープラーニング協会監修、日経BP

これに登場する事例はディープラーニング技術を使ったものが大半ですが、数多くの事例が扱われています。技術論ではなく、技術が現場でどのように使われているかといった話が中心に語られているので、どのような活用アイデアが考えられるのかのヒントを得る上で参考になります。

一方、これは私の勝手な持論ですが、ビジネスにAIを導入することを考える上で、他社の事例を過度に意識しすぎないことは、重要な観点です。というのも、同業他社であっても保有しているデータの量や質に大なり小なり差はありますし、作ったAIをどう運用しているかという実務上で重要な点は、事例紹介の中で表に出てくることはそれほどありません。

ですので、事例はあくまで自分の頭を整理したり、アイデアを出すための参考にしていただき、本質的には一番上に載せたような技術理解にチャレンジしていただくことが、失敗しないAIプロジェクトを目指す上では重要だと感じます。

⑥『文系AI人材になる ― 統計・プログラム知識は不要』

そういった意味で、最近は技術解説と様々な事例の紹介がセットで語られている書籍も増えてきています。例えば、こちらの『文系AI人材になる ― 統計・プログラム知識は不要』です。

『文系AI人材になる― 統計・プログラム知識は不要』
野口竜司著、東洋経済新報

こちらでは、統計・プログラミング知識が一切ないことを前提に機械学習技術の概要が紹介された上で、実社会で活用されているAIの事例を類型化して多数紹介しています。機械学習に関する突っ込んだ説明よりは、考え方やいかにビジネスシーンの中に機械学習を組み込んでいくかが中心に解説されていますので、どんなことができるのか広く情報を集めたいと思われている方にはオススメの一冊です。

⑦『業界別!AI活用地図 8業界36業種の導入事例が一目でわかる』

同業他社が何をやっているか知りたい際など、調査目的で事例を調べられたい方には、『業界別!AI活用地図 8業界36業種の導入事例が一目でわかる』もオススメです。

『業界別!AI活用地図 8業界36業種の導入事例が一目でわかる』
本橋洋介著、翔泳社

業界別の事例を集めた書籍は他にも出版されていますので、最新の書籍を見かけたら目を通してみるというのはアリかもしれません。実際、私自身もこの書籍を通して、どの企業がどのベンダーと、どのような取り組みを進めているかの情報を得ることができました。

また、新規に機械学習を使ったプロジェクトを検討する際には、「どんなテーマがAI化に資するのだろう」「どんなアイデアが実現可能なのだろう」ということも押さえた方がいいでしょう。そういった意味では、同業他社の取組み意外でも参考になるケースがありますので、幅広く様々な情報に目を通すのが良いと思います。

まとめ

近年のAIブームもあって、ビジネスパーソン向けAI書籍は非常に多く出版されています。今回ご紹介したもの以外にも優れた本がいくつもあると思いますので、ぜひ色々と情報収集してみてはいかがでしょうか。上記では物足りないと感じられた方は、学術的な論文や学会報告などに手を伸ばしてみるのも良いかもしれません!

また、コロナウイルス感染拡大を背景に、機械学習技術に関する学習コンテンツをオンラインで公開するベンダーも増えてきています。Laboro.AIでも公式Youtubeチャンネルで、『AIプロジェクトの失敗パターンとは?』『データが少ない場合の機械学習手法とは?』『AI・機械学習の適切な技術の選び方 –画像認識の例−』といった普段聞けないような情報を解説する3つの動画を公開しています。ご興味がある方はぜひ、こちらからご覧になってみてください!

(最後に繰り返しとなりますが、このコラムでご紹介した書籍は担当者が主観で選んだものです。何卒ご了承ください。)

コラム執筆者

シニアソリューションデザイナ 寺田 響

慶應義塾大学文学部卒業。大学卒業後、大手日系企業においてデータを活用したマーケティングや新規サービスの開発、事業企画などに従事。その後、リクルートグループに移り、様々な事業ドメインのビッグデータ×機械学習技術を用いた施策の立案・開発を担当。2018年からLaboro.AIに参画し、製造業や建設業などを中心に多数のプロジェクトを担当。

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