Laboro.AI

Laboro.AIコラム

自動運転だけじゃない。自動車×AIの最先端

2021.4.14

概 要

さまざまな業界でAIの活用が進められている中、消費者の生活に密接に関わり、最も期待を集めている活用分野が自動車です。すでにAIシステムを搭載した自動車は市場に登場し、高レベルでの自動運転の実現に向けて各国・各社が開発にしのぎを削っています。しかし、自動車業界で見てみると、AIの活用範囲は自動運転だけに留まりません。様々に活用される自動車業界でのAI活用の今を、今回はご紹介していきます。

目 次

自動車業界での代表的なAI活用
 ・自動運転での活用
 ・設計・検査フェーズでの活用
  ・ボンネット設計でのAI活用
  ・検査フェーズへのAI活用
 ・自動車販売へのAI活用
AIの基礎知識
 ・AI(人工知能)とは
  ・機械学習(マシンラーニング)
  ・深層学習(ディープラーニング)
自動車×AI、実例8選
 ・潜在ニーズの分析を通じた目的地のAIレコメンド【Laboro.AI】
 ・トヨタの自動運転開発
 ・テスラの自動運転車開発
 ・ナンバープレートの読み取り
 ・車載カメラを使った距離推定
 ・プレス工程での検査効率化
 ・タクシーの需要予測
 ・乗合バスの最適ルート判断
進む、自動車業界でのAI活用

自動車業界での代表的なAI活用

まずは自動車業界での代表的なAI活用例をいくつかご紹介していきます。

自動運転での活用

自動車とAIの活用で真っ先に思いつくのが、この自動運転技術です。自動車の運転をドライバーではなくシステムが行う自動運転は、完全な自動化を目指して、各国・各社がしのぎを削って開発を進めています。

自動運転は、ドライバーとシステムのどちらに運転のウェイトがかかっているかで、0~5の6段階のレベルに分けられています。

レベル0:
 なんの自動化もなく、ドライバーがすべての操作を行うレベル
レベル1〜2:
 システムがアクセル・ブレーキ・ハンドル操作に介入
レベル3:
 限定的な条件下ですべての運転をシステムが行う
レベル4:
 ドライバーが常に運転に復帰する体勢を取っておく必要性から開放
レベル5:
 ドライバーを必要としない完全な自動運転

現段階でレベル5の自動運転は、技術的にも法整備的にも実現段階にはなく、レベル3と4の研究・開発が進められている状況で、最近では2021年3月にホンダが世界初のレベル3の市販車「レジェンド」を発売したことが話題になりました。完全な自動運転の実現に向け、確実に進化の道を歩んでいることが伺えます。

(出典:東洋経済オンライン 『世界初「自動運転レベル3」に見るホンダの本音』

設計・検査フェーズでの活用

「自動車×AI」をテーマにすると自動運転だけが脚光を浴びがちですが、自動車業界におけるAI活用はそれだけではありません。設計や検査でもAI技術が活躍しはじめています。

ボンネット設計でのAI活用

AIは自動車の設計段階でも活用されています。例えば、本田技術研究所では、歩行者の安全を確保するためのボンネットデザインの設計にAIを役立てています。

現状、交通事故による死亡事故は歩行者が被害になるケースが多く、少なくない割合で頭をボンネットに強打することが原因になっています。歩行者への衝撃を最小限にするためにはボンネットを柔らかくすることも考えられますが、一方でボンネットはエンジンを保護する役割も持っています。また、ボンネットに改良を施すということは、緻密な最適化計算に基づいて設計された自動車全体のデザインやスタイル、構造から再設計することになり一筋縄ではいきません。

そこで同社では、全体の構造を勘案した上で最適な形状を予測することを目指したAI、ディープラーニング技術の活用に取り組んでいます。

出典:株式会社IDAJ

検査フェーズへのAI活用

AIの中でも機械学習、ディープラーニングが得意とするジャンルの1つが画像認識です。画像認識技術の進化により、製造業ではAIによる検査システムが次々と開発・導入されています。

自動車の製造においても、良品の画像や不良箇所の画像を学習させることでAIに良品と不良品の判別をさせ、品質検査にかかる時間を短縮し、かつ人の目視確認以上の高い精度で検査作業を行うといった活用例が生まれています。

自動車販売へのAI活用

自動運転や設計・検査だけではなく、自動車販売店でもAIが活用されています。

電通と電通デジタルは、日本語AIの自然対話サービス「Kiku-Hana(キクハナ)」とナビタイムジャパンのカーナビアプリを組み合わせた独自システムを開発。これまで営業スタッフが同乗して行っていた試乗ルート案内や車のセールスポイント紹介などの試乗中の会話を、車載スマホに入ったAIに行わせる取り組みを進めています。

このシステムにより、営業スタッフの省略化はもちろん、試乗に対して抱く心理的ハードルを下げることにつながり、気楽に試乗を楽しめるという効果が見込まれています。また、試乗に関するAIからの質問に対する利用者の回答をデータ化することで、営業スタッフがその後の商談等でその内容を活用するといったシステム構築も目指されています。

(出典:株式会社電通 『電通と電通デジタル、自動車販売店での試乗をより楽しく、自動化・効率化するAI試乗ソリューションを提供開始』

AIの基礎知識

さて、ここで一旦話をAIに話を戻し、AIと呼ばれる技術がどのような技術なのかを振り返ってみたいと思います。

AI(人工知能)とは

そもそもAIとは、人工知能と訳されることからわかるように、人間の知能を機械に真似させることを目指した技術の総称です。ただしSFの世界のように人間に取って代わるようなAIは空想に近く、現実的には特定の部分的な課題に対して効力を発揮する解決手段としてAIは用いられています。このように特定の目的に合わせて開発されたAIは「弱いAI」や「特化型AI」と呼ばれ、一方、実現されてはいないものの、人間の全てを置き換えるような万能なAIは「強いAI」「汎用型AI」と呼ばれます。

機械学習(マシンラーニング)

AI技術の中でも特に進化が著しい技術領域が、コンピュータ自身が学習を行い、認識・識別・推論などを行う機械学習と呼ばれる分野です。

機械学習は、マシンラーニングという名の通り、これまで人間が細かくパターンを指定しなければ実行できなかったタスクであっても、コンピューターに膨大なデータを学習させ、そのデータの傾向を分析・把握させることで、機械自身にタスクを自動化させることを目指した技術です。

機械学習がとくに力を発揮している分野の一つとして、画像認識が挙げられます。例えば、赤リンゴと青リンゴを自動で判別して振り分けるといったタスクから、不良部分を学習して振り分けるといった実用的なタスクなど、様々な活用事例が誕生しています。自動運転技術においては、車体に搭載されたカメラを通して歩行者や障害物を検知したり、走行環境の認識などにも画像認識の技術が用いられています。

深層学習(ディープラーニング)

ディープラーニングは、機械学習に含まれる一技術です。人間の脳にあるニューロンの構造をヒントに作られたシステムで、機械学習では通常必要となる「特徴量の指定」を人間が行わなくとも学習を行える点に特徴があります。

自動車生産現場では、例えば、運転者に共通する行動と機器障害との関係性を見つけ出すなど、熟練のエンジニアや設計者でも見出せないような傾向を発見するといったことへの活用が期待されます。

自動車×AI、実例8選

最後に当社事例も含めて、実際のAI活用事例をご紹介します。

潜在ニーズの分析を通じた目的地のAIレコメンド【Laboro.AI】

自動車でどこかへ遊びに出掛けるという時には、自分で目的地を検索することが必要です。ですが「なんとなくドライブをしたい」のように行き先がはっきりしない場合、そのニーズを言語化することは難しく、結果として検索することにも限界があります。

Laboro.AIでは、大手自動車メーカーとの研究開発で、AIとの対話を通してユーザーの潜在的なニーズを分析し、その内容から目的地を提案するAIレコメンデーションシステムの開発に取り組みました。観光スポットに関するWeb上の口コミデータなどのビッグデータと地図情報などもデータとして活用し、対話のフィードバックを踏まえたレコメンドを行うことで、ユーザー自身も言語化が難しい潜在ニーズに合わせた目的地提案を行う新たな仕組みとして開発を行なっています。

(参考:プロジェクト事例 『潜在ニーズ探索によるAIレコメンド』

トヨタの自動運転開発

トヨタ自動車は2018年、自動運転車の実現を目指す新子会社「トヨタ・リサーチ・インスティテューション・アドバンス ト・デベロップメント」を設立しました。高精度な地図の生成や運転時の状況判断をAIが行うシステムを開発しており、アマゾンなどとも協力しながら開発を進められています。

(出典:NISSENデジタルハブ『自動運転の開発を加速させる大手自動車メーカー』

テスラの自動運転車開発

自動車に搭載するAIシステムは当然ながら電気で動くため、電気自動車との相性が良いとされています。電気自動車で世界をリードするテスラも自動運転車の開発に意欲的で、高いレベルの運転支援システムをすでに市場に流通させています。

(出典:NISSENデジタルハブ『自動車におけるAI活用事例 〜海外編〜』

ナンバープレートの読み取り

車のナンバープレートの読み取りにAI技術を活用した事例がこちらです。車のナンバープレート部分を撮影し画像処理を施した上で、文字認識に関する学習をさせたAIに読み取らせ、自動的に情報をナンバー情報を蓄積していくというもので、車両管理の他、違反車両の取り締まりなどに活用されることが期待されています。

(出典:AICam『画像処理を用いた自動車のナンバープレート(自動車登録番号表)の解析』

車載カメラを使った距離推定

自動運転技術や運転支援システムの実現のためには、周囲との距離測定を行うことが必要になります。こちらの事例では、2つのカメラを二次元的に組み合わせて距離を推定できる他、1つのカメラのみでも距離を推定できるシステムが開発されています。

(出典:Car Watch『アルベルト、単眼カメラでも利用できるディープラーニング活用の深度推定(距離推定)エンジン「GTC Japan 2017」で発表』

プレス工程での検査効率化

自動車メーカーのアウディでは、機械学習技術を活用し、プレス加工を行う際に発生する金属板の割れ目や傷などを自動で認識させるなど、工場内の量産体制を整える試みを進めています。近年、自動車のデザインはよりになってきており、必然的に求められる品質基準も高まっています。アウディでは、プレス工場で加工される部品のすべてをその場で検査できるようにしており、大幅な業務効率化を実現しています。

(出典:日経XTECH ACTIVE 『アウディ、プレス工程の品質検査にAIを活用』

タクシーの需要予測

意外なところではありますが、同じ自動車という観点で、タクシーの需要予測にもAIが活用されています。ベテランドライバーであれば乗客が集まりやすいエリアや時間帯は経験と勘でわかるものですが、新人ドライバーには難しいことが少なくありません。時間帯や天候も考慮し、乗客が集まりやすいエリアを予測し、ドライバーにレコメンドするといった活用例が出てきています。

(出典:AIsmily『自動車業界におけるAIの活用事例』

乗合バスの最適ルート判断

大阪メトロと大阪シティバスでは、AIを用いて乗合バスの運行ルートの最適化を行う社会実験を開始しています。ユーザーが利用したい時間と目的地を伝えて予約し、希望が似た利用者を集約、AIを使って最適な運行ルートを算出するというものです。時間や運行ルートが決まっている路線バスと異なり、需要に応じて時間を設定し、目的地まで最短距離で向かう必要がある乗合バスならではの活用例と言えます。実験では、計10台の小型バス(8人乗り)の運転手がAIの指示に従って巡回することとされており、駅や病院、スーパーなどとの行き来での利用が見込まれています。

(出典:産経新聞THE SANKEI NEWS『AIが最適ルート判断、乗り合いバス 大阪で社会実験スタート』

進む、自動車業界でのAI活用

自動車業界でのAI技術の活用は自動運転だけでなく、様々な分野で進んでおり、その技術も日々進歩しています。私たち生活者にも身近な分野であるからこそ、より現実的なレベルでAIの恩恵が受けられる日もそう遠くはなさそうです。

当社Laboro.AIでは、「すべての産業の新しい姿をつくる」をミッションに掲げ、各産業ごとの課題に合わせたカスタムAIの開発・導入を支援しています。AI導入をご検討の方は、ぜひご相談ください。

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